弁護士 和田 暁斗(みぎわ法律事務所)

債権回収する際の注意点

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債権回収の注意点として、ここでは「消滅時効」、「違法な取り立て」について紹介します。

 

■消滅時効
債権回収で意外と忘れがちなのが「時効」です。一定の期間が経過して消滅時効が完成すると、請求できた権利が消滅してしまうので注意が必要です。

 

時効制度は近年の民法改正で大きく変更されましたが、2020年4月1日よりも前に、①債権が生じた場合や、②その発生原因である法律行為がされた場合は、改正前の民法(旧民法)が適用されるので注意しましょう(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)附則10条1項・4項)。改正民法では、いくつかの例外(人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権の時効など)を除いて時効期間が統一されましたが、旧民法では債権の種類に応じて次のように時効期間が異なっています。

 

・小切手債権・・・6か月
・旅費・宿泊費・飲食料/運送費/大工、俳優、歌手、スポーツ選手等の賃金・・・1年
・弁護士や弁護士法人、公証人の職務に関する債権/売掛金債権/塾代・各種授業料/労働者の賃金・・・2年
・医師、助産師、薬剤師の診療、助産、調剤に関する債権など/約束手形の振出人や為替手形の引受人の債権/不法行為に基づく損害賠償請求権・・・3年
・一般商事債権/家賃・地代、利息、マンション管理費等・・・5年
・一般民事債権/確定判決、和解、調停によって確定した債権・・・10年
・債権または所有権以外の財産権・・・20年

 

時効の完成が迫っている場合は、「時効の中断」(改正法下では「時効の更新」)の手続きをとる必要があります。これを行うことで、それまでに進行していた時効期間はリセットし、新たにカウントが開始します。時効の中断(更新)を行うには法律に定められた所定の手続きが必要になるため、弁護士に相談することをおすすめします。

 

■違法な取り立て
相手方に債務の履行を求めること自体は正当な行為です。しかし、その手段が正当な範囲を逸脱し、違法行為と評価される場合があります。例えば、

 

・暴力的な態度をとる
・大声をあげたり、乱暴な言葉で金銭を求める
・反復・継続して電話してり、訪問したりする
・張り紙や落書きなどで、借り入れの事実やプライバシーをさらす
・支払義務を負っていない者(両親や子どもなど)に請求する、取り立ての協力を必要以上に要求する
・正当な資格・営業許可のない債権管理回収業者に依頼する

 

などの行為を行うと、ケースによっては債務者側から逆に損害賠償請求を行使され、犯罪行為(恐喝、脅迫、窃盗、暴行など)と評価されて逮捕・有罪となるリスクがあります。債権回収を行う際は、必ず弁護士等の法律専門家に相談しましょう。

 

弁護士 和田暁斗(みぎわ法律事務所)は、千葉県北西部(松戸、野田、柏、鎌ヶ谷、流山、我孫子)を中心に債権回収に関するご相談を承ります。
当職は、地域に密着したリーガルサービスを心がけ、クライアント様一人ひとりに真摯に向き合い、誠心誠意サポートしてまいります。
債権回収でお悩みの際は、当職までご相談ください。