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古い請求書を見つけて時効かどうかを確認するためには弁護士に相談

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古い請求書を発見し、まだ取り立てを完了していないことが分かった場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

 

というのも、古い請求書に基づいて請求する場合、消滅時効が成立していないかどうかが問題となりますが、近年、民法が改正して時効の制度が変わり、消滅時効が成立しているかどうかの判断が難しくなったためです。また、消滅時効が成立していない場合だと、必要に応じて消滅時効を完成しないようにする措置が必要です。この対応にも弁護士から適切な助言を受ける必要があります。

 

まず、その請求書が改正前の民法(以下、「旧法」という)が適用されるのか、改正後の民法(以下、「改正法」という)が適用されるのかが問題となります。改正法は、2020年4月1日以降に適用されます。2020年4月1日よりも前に、①債権が生じた場合や、②その発生原因である法律行為がされた場合は、旧法の規定が適用されます(民法の一部を改正する法律(平成29年法律第44号)附則10条1項・4項)。

 

旧法が適用される場合は、旧法における消滅時効が問題となります。例えば、以下の債権に該当する場合、時効期間は「2年」となります(旧法173条)。
・生産者、卸売商人又は小売商人が売却した産物又は商品の代価に係る債権
・自己の技能を用い、注文を受けて、物を製作し又は自己の仕事場で他人のために仕事をすることを業とする者の仕事に関する債権
・学芸又は技能の教育を行う者が生徒の教育、衣食又は寄宿の代価について有する債権

 

他方で、改正法では上記のような業種別の短期消滅時効は廃止され、次のうち、早い方の期間が経過したときに時効が成立します。
・債権者が権利を行使することができることを知ったときから「5年」
・権利を行使することができるときから「10年」

 

もし消滅時効が成立している場合、債権を回収できる見込みはかなり少ないといえます。もっとも、消滅時効は成立すると直ちに権利が消滅するのではなく、「援用」しなければ効果が生じません。相手方によっては消滅時効が成立してもなお、請求に応じてくれる場合があるので、今後の対応も含めて弁護士に相談しましょう。

 

逆に消滅時効が成立していない場合は、相手方に対して請求を行うことになります。消滅時効成立まで時間が迫っている場合は、時効の「更新」(旧法の「中断」)あるいは「完成猶予」(旧法の「停止」)を行って、時効の進行を防ぐことが必要です。

 

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